ピアノは1度に2つ以上のことをしている
「うちの子、ほんとに夢中で絵を描いているんです。」
「アタリマエデス。」
ベテランのピアノの先生がおっしゃった言葉。子育ても終えられています。
こどもが一つのことに夢中になるのは、普通だそうです。
なるほど。
そういえば、パズルに夢中になったり、テレビに夢中になったりと、よくある場面です。
夢中になることがひとつあれば、本当に好きなことなのでよいと思うのですが、ピアノはそこをもうひとつ突っ込んで、2つ以上のことを同時に考えたり動かしたりします。
なので、頭がよくなるとも言われ、そして難しいのです。
右手三角、左手四角
よく、右手で三角を書きながら左手は四角を書いて下さい、なんていう、脳トレがあります。
あれの難しいバージョンです。
ピアノ教室でも両手になることで、とても苦労する生徒さんがいます。
右手と左手が違うことをするのだから、この段階で難しいのは当たり前。
小学校1年生くらいの生徒さんが、割と早くこの段階を切り抜けます。
上の楽譜がとても苦労する生徒さん。
上の段は右手、下の段は左手でひざうち。
まずそこからです。
普段はリズムの本も使ってひざうちもしているので、そこまでは簡単なのですが、右手をレガートで音をつなげながら、左手の音を変えるのは難しいです。
このの場合は左手も、レガートにしてしまえば、綺麗に弾くことができます。
でも、左手が和音になっていた場合、和音が変わることに右手までつられて音が切れてしまう事態がおこります。
そういうときには、ごくスローモーションで右手の音を保ちながら左手をあげて、次の音まで弾く練習をします。
レッスン中にコツだけつかんでおけば、おうちでやってみる時に何回がやると出来るようになります。
下の楽譜は、ちょっと難しそうに見えますが、両手ともりズムやスタッカートが同じ動きをしているので楽に弾くことができる生徒さんが多いです。
ただ、右手左手の手の動きのその先の、指の動きが難しいのは確かです。
指使いを見ると分かります。
人間、鏡のように手を使うのは楽。
左の小指(5番)と右手の親指(1番)を同時に弾くのが難しいのです。
非常に頭を使いますね。
ピアノは音やリズム他を読みながら、手の動き、指の動きを考え、どのけんばんを弾くのかも考え、鳴った音を耳で聴いて確かめながら、同時に先を見る。
とてもたくさんの「ながら運動」ですね。
弾いている時の頭の中はフル稼働しているに違いありません。
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